『一攫千金、大儲けの可能性がある株はなんですか?』
もし仮に、こんな質問を投げかけられたなら、まずは「ボロ株」と答えるでしょう。今回の記事は、ハイリスク&ハイリターンな銘柄、ボロ株(超低位株)について解説します。
「ボロ株」という呼び名だけでみると、誰も手をつけない”低人気な株”というイメージを持つはず。ほぼ正解です。しかし、ボロ株の中には、10倍以上に値をあげる大化け株がまぎれていて、2024年のテンバガー達成銘柄の多くがこのボロ株という隠れた実態があるのです。
そんな魅力あふれるボロ株・超低位株について、抑えておきたい危険性やリスク、ボロ株から大化け株への変貌を遂げたテンバガー達成株の特徴、そのお宝銘柄の見つけ方など詳しくご紹介します。
急動意が期待される必見の注目株とは?
ボロ株とは「株価水準が100円以下と極端に低い銘柄」のこと。
ボロ株とは、株価水準が100円以下と極端に低い銘柄のことで、「超低位株」とも呼ばれています。具体的な例をあげると、

出展:TradingView
上記は、スマートフォンや車載向けの中小型液晶ディスプレイなどを手掛ける「ジャパンディスプレイ(6740)」のチャート画像です。
2024年12月6日時点の株価は、終値で「20円」、最低購入代金は「2,000円」となっています。このような株価水準にある銘柄を「ボロ株(超低位株)」といいます。
低位株とボロ株の違い
ボロ株と少し似た言葉で「低位株」と呼ばれる銘柄があります。
低位株とボロ株の大きな違いは「株価水準の低さ」です。いずれも明確な定義はありませんが、低位株がおよそ「株価500円~1000円以下」の銘柄を指すのに対し、ボロ株は「株価100円以下」の銘柄を指します。
低位株よりさらに株価水準が低いことから「超低位株」と呼ばれているわけです。
また、低位株については、下記のページにて詳しくまとめています。こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
CHECK!
ボロ株投資のメリット・デメリット
ボロ株投資の大きなメリットといえば、「好材料で大化けの可能性がある」こと。また、少額ではじめられるので「分散投資がしやすい」ということも魅力のひとつです。
その一方で、デメリットの比重も大きく、「上場廃止や倒産のリスク」があることに加え、「低迷した株価が改善しない」というケースも珍しくありません。また、「情報収集が難しい」という点も大きな欠点といえます。
メリット
- 少額からはじめられ複数銘柄に分散しやすい。
- 株価水準がすでに低いため下値不安が少ない。
- ポジティブな材料発表で大化けする可能性がある。
デメリット
- 低迷した株価が改善しないケースが多い。
- 経営状態が悪化している企業が多く、上場廃止や倒産のリスクがある。
- 値動きが激しく流動性が低いため初心者には不向き。
- 知名度が低い企業が多く、正確な情報収集が難しい。
これらデメリットに関しては、ページ後半の「ボロ株投資に潜む危険性とリスク」にて詳しく解説いたします。
ボロ株の中には「株価10円以下」、国内市場で最も安い株も。
2024年12月19日時点、東証プライム・スタンダード・グロースに上場する企業のうち、株価100円以下のボロ株に該当するのは「67銘柄」。
そんなボロ株の中でも「株価10円以下」、おそらく国内市場でもっとも安い銘柄が存在します。それが以下にご紹介する「ランド(8918)」です。

出展:TradingView
上記の画像は、マンション開発や不動産投資、再生可能エネルギー投資などを行う不動産企業「ランド(8918)」のチャート画像です。
株価の推移が分かりづらいため月足で表示していますが、2024年12月19日時点の株価は「8円」、時価総額は「124億円」、最低購入代金は「800円」となっています。
過去、資金調達面とベンチャー人気の高まりから値を大きく伸ばした時期もありましたが、その後は大きく衰退。直近では10円~7円前後のもみ合いが長く続いている状態です。(デメリットでご紹介した「低迷した株価が改善しないケース」がこれです。)
ボロ株投資の魅力はテンバガー期待の大化け株の発掘にあり!!
冒頭でもお伝えしましたが、ボロ株の中には一つの材料をきっかけに株価を急騰させ、2倍・3倍と値を上げるケースも珍しくありません。さらには、株価を10倍以上に跳ね上げテンバガー(10倍超)を達成する銘柄も。
では、ボロ株投資にはどのような魅力があるのか?テンバガー達成銘柄の特徴を交えてご紹介します。
そもそも「テンバガー(10倍株)」とは?
テンバガーとは、株価を10倍以上に成長させた銘柄を指す株式用語で、英語の「10(TEN)」と野球用語の「塁打(bagger)」を組み合わせて、『10塁打(通常では考えられない大記録)』という意味として使われます。
また、「10倍以上に値上がりした株=テンバガー銘柄」として使われるため、別名「10倍株」や「大化け株」とも呼ばれています。
2022、2023年のテンバガー達成銘柄の一覧
年度 | 銘柄名(証券コード) | 安値 / 高値 | 最大上昇率 |
---|---|---|---|
2022年 | バンク・オブ・イノベーション(4393) | 1,450円 / 16,300円 | 11.24倍 |
マツモト(7901) | 590.7円 / 7,150.0円 | 12.10倍 | |
2023年 | アジャイルメディア・ネットワーク(6573) | 61.3円 / 961.0円 | 15.67倍 |
プログリット(9560) | 234円 / 2,500円 | 10.68倍 |
※「安値 / 高値」はその年の年初来安値・年初来高値を表しています。
上記のうち、2023年のテンバガー「アジャイルメディア」が当時、ボロ株として見られていた銘柄です。
また、テンバガーの特徴や過去の事例、共通点や見つけ方などは下記のページにて詳しく解説しています。こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
CHECK!
2024年のテンバガー達成株はすべて低位株とボロ株
次に、2024年のテンバガー達成株を見てみましょう。
証券コード/銘柄名 | 市場 | 年初来安値 | 年初来高値 | 最大上昇率 |
---|---|---|---|---|
3350 メタプラネット | スタンダード | 140円 (24.02.16) | 4270円 (24.12.17) | 30.5倍 |
2586 フルッタフルッタ | グロース | 25円 (24.08.05) | 325円 (24.11.07) | 13.0倍 |
2330 フォーサイド | スタンダード | 67円 (24.01.04) | 735円 (24.03.01) | 10.9倍 |
2743 ピクセル | スタンダード | 37円 (24.01.04) | 397円 (24.04.04) | 10.7倍 |
6659 メディアリンクス | スタンダード | 29円 (24.02.15) | 304円 (24.06.21) | 10.4倍 |
5銘柄がテンバガーを達成!そのうち4銘柄がボロ株
2024年にテンバガーを達成したのは5銘柄。例年より数が多く豊作な年となったわけですが、そのうち4銘柄が「ボロ株」という結果。
ボロ株にはとんでもない大化けの可能性を秘めているのが伝わるかと思います。これがボロ株投資最大の魅力です。
ただし、テンバガーが期待できるお宝銘柄の発掘は決して簡単ではなく、急騰のきっかけとなる材料性を見抜くのはプロでも難しいとされています。さらに、ボロ株投資にはさまざまなリスクも付きまとうため、これらの危険性も予め知っておくことが大切です。
ボロ株投資に潜む危険性とリスク、その対策
ボロ株は“ハイリスク&ハイリターン”な投資先です。
一攫千金、大儲けの可能性を秘めている一方で、さまざまな危険性とリスクも存在します。では、ボロ株投資にはどのような危険性とリスクがあるのか?詳しくご紹介します。
1. 上場廃止や倒産の可能性がある。
株価が「超低位」にまで落ち込むにはそれなりの理由があります。
たとえば、業績悪化や赤字経営が続いている、成長性への期待が薄いなど、何かしらの問題を抱えているケースが多いです。
これらの問題が解決しない場合、上場廃止や倒産の可能性があるので注意が必要です。
対策①:株価低迷の理由を調べて、業績や財務体質をチェックする。
2. 株価水準が上がらない「万円ボロ株」の可能性がある。
ボロ株をご紹介する中で「ランド(8918)」をご紹介しましたが、かれこれ10年以上、株価水準は100円を下回ったままです。
このように、株価水準が上がらない「万年ボロ株」の可能性があるため、1銘柄だけに固執せず、複数の銘柄に分散するようにしましょう。
対策②:一つの銘柄に固執せず分散投資を心がける。
3. 流動性の低さと値幅制限により「買えない」「売れない」ケースがある。
ボロ株投資でやっかいになるのが「買えない時に買えない」「売りたいときに売れない」といった現象、流動性リスクが付きまといます。また、値幅制限によって思うような売買が出来ないケースも。
取引量がそれほど多くないことに加えて、ボロ株の値動きは上下に激しい傾向が強いです。そのため、100円未満の株だと上下30円の値幅でもストップ高・ストップ安の制限に引っかかってしまいます。
まず、この値幅制限のルールがあるのを前提に、流動性の低すぎない銘柄(出来高がある程度ある銘柄)を選ぶようにしましょう。
対策③:出来高が極端に少ない銘柄は割ける。
4. 急騰後はもとの株価水準に戻り、下落スピードは上昇よりも速い。
ボロ株投資において、一番の危険性が「売り時を見失う」こと。
仮に、2倍、3倍、さらには10倍超と大きく値を上げたとしても、人気の収まりと共に多くの場合は元の株価水準に戻ります。さらに、上昇よりも下落スピードはもっと速いです。
そのため、売り時を見失ってしまうと株価の急落による含み損を抱える危険性があり、安易に手を出してしまうと高値掴みによる損失を被る可能性もあります。
まず、上値を追いすぎるのは禁物として、急騰理由の裏付けが見つからない場合は早めの利益確定が懸命な選択です。一方で、赤字の縮小、ひいては「黒字転換の見通し」となると…。大きなチャンスを引き当てたのかも知れません。
対策④:上値を追わず早めの利益確定。
超低位株・ボロ株から一発逆転のお宝銘柄を見つける方法とは?
ハイリスク&ハイリターンな投資先でもあるボロ株。
さまざまなリスクを避けながらも復活の兆しを内包する、上昇期待値の高いお宝銘柄をどのようにして発掘するのか?その見つけ方についてご紹介します。
- 株価:100円以下
- 時価総額:30億円未満
- 自己資本比率:30%以上
- 営業利益増減率(今期予想):10%以上
- 平均売買代金:1,000万円以上
- PBR:2.5倍以下
※あくまで参考情報としてご活用下さい。
実際にボロ株(超低位株)を抽出したスクリーニング事例

いかがだったでしょうか。
今回ご紹介したボロ株(超低位株)株の見つけ方はあくまで参考情報です。スクリーニングの条件次第で大きな成果を期待できるお宝銘柄を発掘できるかもしれません。
ぜひ、さまざまな条件を組み合わせた銘柄検索を試してください。
まとめ
今回の記事は「ボロ株(超低位株)」をテーマに、その特徴や魅力に始まり抑えておきたい危険性やリスク、具体的なスクリーニング条件などをご紹介してきました。いかがでしたか?
ボロ株(低位株)は、株価100円以下の元々が低い株価水準にあるため、小さな材料でも何倍にも株価を上昇させる可能性があり、実際多くのボロ株がひとつの材料をきっかけにテンバガーの大化けを達成しています。
ただし、ボロ株投資にはさまざまな危険性があり、『ボロ株投資=ハイリスク&ハイリターン』ということを肝に銘じておくことが必要です。今回ご紹介した記事を参考に、大化けが期待できるお宝銘柄の発掘にぜひチャレンジしてみて下さい。
「 ボロ株(超 低位) 」 について詳しく解説します。