従来の半導体と比べ、「効率よく」「高電圧・大電流にも対応できる」、さらに「エネルギーロスを最小限に抑えられる」として、”脱炭素・省エネルギー化社会へ向けたキーデバイス”と注目されているのが『パワー半導体(パワーデバイス)』です。
産業機器や鉄道、電気自動車、再エネルギー設備など幅広い分野での導入が進んでいるパワー半導体。近年では、「炭化ケイ素(SiC)」や「窒化ガリウム(GaN)」といったシリコン以外の材料を使った『次世代パワー半導体』の誕生により、パワーデバイス市場と関連銘柄の動向が注目を集めています。
そこで今回の記事は、『2025年版・パワー半導体銘柄の本命・注目株』をテーマに、次世代を含むパワー半導体の特徴をはじめ、素材ごとの代表銘柄の紹介、今後の成長が期待される注目株などを詳しくご紹介します。
急動意が期待される必見テーマ株とは?
そもそも「パワー半導体」とは?

パワー半導体とは、電力の制御や変換を担う半導体デバイスのことで、電気を「流す・止める・変える」といった役割に特化しています。小型でも高電圧・大電流を扱えるのが大きな特徴で、従来型の半導体に比べて「高効率・省エネ・小型化」を実現できるのが大きな強みです。
この、電気を「流す・止める・変える」といった役割、いわば”電力の交通整理役”のような機能をするため、エネルギーロスの削減や機器の小型・軽量化、発電時のCO2削減にもつながり「パワー半導体 = 省エネ社会の推進役」として注目されているわけです。
さらに近年では、従来のパワー半導体よりも高い性能をもつ「次世代パワー半導体」の研究が進み、シリコンに置き換わる「SiC(炭化ケイ素)」「GaN(窒化ガリウム)」を材料とする次世代パワー半導体が一部の分野での実用化・商用化されています。
高効率で省エネ性にも優れた新型の半導体デバイスが「次世代パワー半導体」
次世代パワー半導体とは、従来のシリコン(Si)に代わる高性能素材として注目されている「SiC(炭化ケイ素)」や「GaN(窒化ガリウム)」などを用いた新型の半導体デバイスのこと。
高電圧、高温環境でも安定して動作し、電力のロスを大幅に抑えることができるため、従来の半導体と比べて「省エネ性能」や「変換効率」が格段に向上するとされています。すでに、電気自動車や再生エネルギー分野での実用化が進んでおり、今後、家電・通信基地局・データセンターなど幅広い分野での本格的な普及が期待されています。
SiC(炭化ケイ素) | 実用化済 | 高電圧・高温環境に強く、電気自動車(EV)や鉄道、産業機器などに幅広く導入。すでに市場規模が拡大中。 |
GaN(窒化ガリウム) | 実用化済 | 小型・軽量で高効率な電力制御が可能。スマートフォン用の急速充電器や通信基地局などで採用が進む。 |
Ga₂O₃(酸化ガリウム) | 開発・研究中 | 理論的にはSiCを上回る性能を持ち、低コストでの製造が可能。実用化はまだこれから。 |
ダイヤモンド(C) | 開発・研究中 | 熱伝導率が極めて高く、理想的なパワー半導体素材とされるが、量産技術やコスト面が課題。 |
AlN(窒化アルミニウム) | 開発・研究中 | 高耐圧と熱特性に優れ、GaNやSiCの代替・補完材料として研究が進行中。 |
次世代パワー半導体の新素材を「実用化済 / 開発・研究中」と分けてまとめましたが、『本格的な普及はまだこれから。今、普及の入口段階にある』と言っていいでしょう。
それゆえに、新たな成長産業として”次世代パワー半導体銘柄”に熱視線が向けられているわけです。
次世代パワー半導体銘柄の代表格「ローム(6963)」
前置きがやや長くなりましたが、ここからは本記事のテーマ「パワー半導体銘柄」についても触れていこうと思います。まずは、次世代パワー半導体銘柄の代表格「ローム(6963)」をご紹介します。

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世界的な「SiC(炭化ケイ素)パワー半導体」のリーディングカンパニー
ローム(6963)は、次世代パワー半導体の中でも注目される「SiC(炭化ケイ素)」パワー半導体の世界的なリーディングカンパニー。
設計・製造・品質保証を自社で一貫して行う「垂直統合型の一貫生産体制」による高品質と安定供給を強みとして、パワーアナログ分野を中心に、LSI、半導体素子、モジュール、抵抗器まで幅広い製品を手掛けています。
ロームのSiCパワー半導体は、すでに電気自動車やハイブリッド車のインバーターや車載充電器、鉄道車両、産業用モーターの電力変換、太陽光・風力発電システム、そしてデータセンターなど幅広い産業において利用されています。カーボンニュートラルや電力化シフトが進む中、同社の高効率・高耐久なSiC製品は、省エネ化・小型化といった市場ニーズにマッチしており、今後さらなる成長が期待されています。
パワー半導体の主な素材と代表的な関連銘柄

さてここからが本題です。
先ほどのトピックでもご紹介しましたが、次世代パワー半導体の普及はまだまだ入り口段階にあります。
すでに一部で実用化されている「炭化ケイ素(SiC)」「窒化ガリウム(GaN)」に続き、「酸化ガリウム(Ga2O3)」や「ダイヤモンド(C)」など、新素材を用いた新たな次世代パワー半導体の研究・開発も進められています。
では、『今から目をつけておくべき!次世代パワー半導体の代表銘柄とは何か?』パワー半導体の主な素材と代表的な関連銘柄をピックアップしてご紹介します。
SiC(炭化ケイ素)パワー半導体銘柄
SiC(Silicon Carbide/炭化ケイ素)とは、シリコン(Si)と炭素(C)からなる化合物で、従来のシリコン半導体と比べて高耐圧・高耐熱・高周波に強いという特性を持ちます。このため、電力損失を大幅に抑えられ、装置の小型化・高効率化に貢献できる素材として、次世代パワー半導体の主力の一つに位置づけられています。
この炭化ケイ素(SiC)の製造・販売などを手掛ける企業が「SiC(炭化ケイ素)パワー半導体銘柄」です。
SiCパワー半導体は、電気自動車や鉄道、太陽光発電、産業用インバータなど、エネルギー効率が求められる分野で採用が進んでいます。走行距離の延伸や充電効率の改善に直結するため、自動車メーカーや電装品メーカーによる導入が加速。フランスの市場調査会社「Yole Group」によると、2030年までに103億ドル(約1.5兆円)規模に達する見込みとのこと。
また、国や企業による設備投資や量産体制の構築も進んでおり、日本でもロームや三菱電機などが専用ラインを拡充するなど、実用化フェーズから普及フェーズへの移行が進行中です。
企業名 / 証券コード | 特徴・注目ポイント |
---|---|
ローム(6963) | SiCパワー半導体のパイオニア。福岡県筑後市の「アポロ工場」で生産能力増強を推進中。トヨタとの取引でも話題。 |
三菱電機(6503) | インバータや鉄道システム向けにSiCモジュールを展開。重電分野での導入実績が豊富。 |
住友電気工業(5802) | SiCウェーハの量産技術に強みを持ち、ロームなどへ素材供給も行う。 |
レゾナック・ホールディングス(4004) | 23年に社名を昭和電工からレゾナックとして統合新会社に。新素材のSiCパワー半導体ウエハをNEDOの基金事業として育成。半導体材料と石油化学が2本柱の企業。 |
デンソー(6902) | トヨタ系で最大、国内最大の自動車部品メーカー。トヨタグループ内でEV向けSiCインバータの開発・搭載を進めている。 |
三菱電機(6503)

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三菱電機(6503)は、次世代パワー半導体の中でもとくに注目されるSiC(炭化ケイ素)分野において、技術力・量産体制の両面で国内トップクラスの地位を確立している企業。
1990年代からSiC技術の研究開発を進めており、新幹線や空調機器、EVインバーターなど多様な用途で実用化を果たしてきた実績があります。特に、電力損失を大幅に削減するフルSiCモジュールや、室内機向けの高効率パワーモジュールは、省エネ性と小型化を両立させた製品として高く評価されています。
また、熊本県で新設中の大型工場では8インチSiCウエハー対応の生産ラインを導入予定であり、今後の世界的な需要増に備えた供給体制の強化も着々と進行中です。加えて、欧州の半導体企業Nexperiaや米国の基板大手Coherentとの提携を通じ、SiC基板の安定調達やデバイス性能の向上にも注力。こうした取り組みにより、三菱電機は素材開発から量産、応用分野への展開まで一貫した技術力を有する数少ない企業として、投資家からの注目を集めています。
GaN(窒化ガリウム)パワー半導体銘柄
GaN(窒化ガリウム)パワー半導体は、次世代の高性能・省エネデバイスとして注目される素材で、とくに高周波・高電圧の高速スイッチング性能に優れています。
従来のSi(シリコン)やSiCと比較して、電子の移動速度が速く、スイッチング損失が小さいため、電力変換の効率向上と回路の小型化を同時に実現できる点が大きな特長です。現在、5G基地局、EVの車載充電器、産業用ロボット、ドローン、さらにはデータセンターの電源などで実用化が進んでいます。
企業名 / 証券コード | 特徴・注目ポイント |
---|---|
三菱電機(6503) | GaNデバイスの研究開発を推進。高周波用途(レーダー、通信)向けのGaN高電子移動度トランジスタ(HEMT)に注力。産業用/防衛用に強み。 |
ルネサスエレクトロニクス(6723) | 米Transphorm社と提携し、車載電源・データセンター電源向けにGaNパワーソリューションを開発。GaN MOSFETの量産体制にも着手。 |
ローム(6963) | 主にSiCが主力だが、GaNの開発も進行中。電源回路の小型化や高効率化を図る用途でGaNトランジスタ製品の展開を計画。 |
古河電気工業(5801) | GaN基板向け高品質材料を提供。パワーデバイス向けに高熱伝導基板技術などを開発中。材料分野からGaNの応用を支援。 |
富士電機(6504) | SiCが中心だが、GaNデバイスについても一部研究開発あり。産業用インバータやUPS等への応用を視野に検討。 |
TDK(6762) | GaNデバイスに対応したノイズ対策部品やコンデンサなどを供給。GaN回路に最適な受動部品の提供で間接的に関連。 |
豊田合成(7282) | GaNパワーデバイスの自社開発を進めるとともに、GaNウェハー製造技術にも注力。LED技術の応用から電力用途へ拡大中。 |
サンケン電気(6707) | GaNパワーICの設計・開発を進行。省エネ家電や車載電装系統など高周波・高効率電源への応用を目指す。 |
新電元工業(6844) | GaN製品の開発実績は少ないが、電源IC技術との統合で今後のGaNデバイス展開も検討の余地あり。現状は非主力。 |
富士通(6702) | 早期からGaN-HEMT開発に着手。5G基地局、レーダー、航空宇宙向けなど、高周波・高出力分野でのGaN応用に実績あり。 |
ルネサスエレクトロニクス(6723)

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ルネサスエレクトロニクスは、日立、三菱電機、NECの半導体部門が統合してできた自動車向け半導体メーカーの大手企業。自動車用マイコンでは世界シェア首位を誇ります。
GaN(窒化ガリウム)パワー半導体の分野においては、2024年に米国のGaNリーディング企業「トランスフォーム」を買収。25年7月には、従来のシリコン素材と比べて電力ロスが少ない、窒化ガリウム(GaN)製のパワー半導体の新製品を発売したと発表。主にAIデータセンターや電力インフラなどの大型施設の需要を見込んでいるとのこと。
また、ルネサスはSiC(炭化ケイ素)とIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の開発を一時停止し、今後はGaNをパワーディスクリート事業の中核に据えて事業拡大を図っていくとのことです。
Ga2O3(酸化ガリウム)パワー半導体銘柄
Ga2O3(酸化ガリウム)はその優れた電子特性から、これまでの主力だったシリコンだけでなく、次世代素材として注目されるSiCやGaNよりもさらに高性能な性質を持つとされる次世代パワー半導体素材。
高電圧化での使用や省エネで高効率の実現、さらに基板の製造コストが安価とされる特性から、高電圧・高効率デバイス分野(EV、再エネ、鉄道など)への応用が期待されています。
25年8月現在、京都大発のベンチャー企業「株式会社FLOSFIA」が世界で初めて、Ga2O3パワー半導体開発における最大の課題とされていた「p層(導電型p型半導体層)の改良」に成功。
また、タムラ製作所の事業分割から生まれたベンチャー「ノベルクリスタルテクノロジー」が取り組む、高品質Ga2O3エピタキシャルウエハーの製造と普及にも注目が集まっています。
タムラ製作所(6768)

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タムラ製作所は、トランス・リアクタ・電源モジュールなどの電子部品、ソルダーペースト・ソルダーレジストなどの電子化学材料・実装装置、放送局向け音声調整卓やワイヤレスマイクなどの情報機器を開発・製造・販売する企業。
Ga2O3(酸化ガリウム)パワー半導体の分野では、2013年6月、情報通信機構と株式会社光波との共同研究により、酸化ガリウム(Ga2O3)MOSトランジスタの開発に世界で初めて成功したと発表。次世代パワー半導体素材として注目される「酸化ガリウム(Ga2O3)」へ先進的な取り組みを続けてきたのが「タムラ製作所」です。
また、酸化ガリウムの研究・開発に取り組む企業として、「株式会社FLOSFIA」と「ノベルクリスタルテクノロジー」が有名ですが、ノベルクリスタルテクノロジーはタムラ製作所からカーブアウトされたベンチャー企業です。出資元かつ技術支援パートナーとして、ノベルクリスタルテクノロジーが開発を進めるパワーデバイス用高品質ウェハーとトランジスタの事業化を支援しています。
C(ダイヤモンド)パワー半導体銘柄
C(ダイヤモンド)パワー半導体は、炭素の結晶であるダイヤモンドを素材とする次世代パワー半導体で、非常に高い熱伝導率・耐圧性能・電子移動度を兼ね備えた“究極のパワー半導体”と呼ばれる存在です。バンドギャップが非常に広いため、高温・高耐圧・高周波という過酷な環境下でも安定動作が可能で、冷却システムの小型化、省電力化、装置全体の高性能化に大きく貢献する可能性を持っています。
しかし、ダイヤモンド素材の量産化・加工技術のハードルが極めて高く、現時点では研究開発段階にある企業が大半で、実用化には時間を要するとされています。用途としては、電力インフラや鉄道、航空宇宙、防衛など、きわめて高耐圧・高温環境が求められる分野が想定されています。
イーディーピー(7794)

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イーディーピーは、産業技術総合研究所(産総研)の技術を基板とした人工ダイヤモンドの専門メーカー。人工ダイヤモンドの元となる「種結晶」の製造・販売を手掛け、半導体やエレクトロニクス分野で使用される「研究用基板」や「ヒートシンク」、「光学窓」、「工具用素材」などの開発・製造・販売なども行っています。
人工ダイヤモンドを素材とした次世代パワー半導体の行方が注目されていますが、イーディーピーは、国内で唯一、人工ダイヤモンドの原料となる「種結晶」の製造・販売を行う企業です。半導体、エレクトロニクス分野にも参入していることから、ダイヤモンド半導体の開発・実証化の動きにあわせてその注目度を増す可能性が考えられます。
パワー半導体銘柄の本命・出遅れ・注目株
次に、本格的な普及の入口に立つことで再注目を浴びている「パワー半導体関連銘柄」について、本命・出遅れ、成長期待の注目株と3項目に分けて【15銘柄】をご紹介します。
※ご紹介する銘柄は筆者の主観を含んだ内容のため参考情報としてご覧ください。
本命株【7選】
レゾナック(4004)

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レゾナックホールディングスは、旧昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)の統合により誕生した総合素材メーカーで、パワー半導体分野でも極めて重要な存在です。
なかでも、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)など次世代パワー半導体のキーデバイスに使用される高純度化合物ウェハーや接着材、絶縁材などの周辺素材を供給。自動車や産業機器の電動化・高効率化が進む中で、世界中の半導体メーカーと連携しながら需要の取り込みを強化しています。
また、25年7月にはEV向けパワー半導体関連の研究開発施設を栃木県内で報道陣に公開。中国勢の追い上げに対抗し、同業の素材メーカーも含む他社と連携する方針とのこと。
信越化学工業(4063)

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信越化学工業は、世界トップクラスのシリコンウエハー製造企業として、パワー半導体市場においても極めて重要なポジションを確立している企業。
とくに、パワー半導体に不可欠な高純度単結晶シリコンウエハーにおいて圧倒的なシェアを誇り、エネルギー効率化が求められるEV・再生可能エネルギー・産業機器分野に向けた供給体制を強化中です。また、24年9月には「窒化ガリウム(GaN)」を使ったパワー半導体素材を低コストで作る技術を開発。従来コストの10分の1以下にすることが可能とのことで、量産が期待されています。
三菱電機(6503)

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三菱電機は、長年にわたってパワー半導体の開発・製造に注力してきた日本を代表する総合電機メーカーです。
とくに産業機器、鉄道車両、エネルギー、家電、自動車向けに高性能なIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やSiC(炭化ケイ素)パワーデバイスを展開しており、グローバルでも高いシェアを誇ります。直近では、パワーデバイス事業への投資を抑制・延期した上で光デバイス事業を拡大する動きに。
富士電機(6504)

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富士電機は、産業・インフラ分野を中心に高効率で信頼性の高いパワー半導体製品を提供している電機メーカーです。
とくに、鉄道・産業機器・再生可能エネルギー・電気自動車向けに強みを持ち、自社開発のIGBTやSiCパワーモジュールで国内外の需要に応えています。デンソーと協業し、国内生産能力を増強する計画を発表しており、経済産業省の補助金も受けています。また、SiCパワー半導体市場の拡大に備え、マレーシア工場での8インチウェハーの海外向け生産を開始するなど、海外生産体制も強化しています。
サンケン電気(6707)

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サンケン電気は、電源用半導体やパワーエレクトロニクス機器に強みを持つ老舗メーカーです。
とくに自動車向けの電装品やインバータ制御機器に用いられるパワー半導体(IGBT・MOSFET)で国内外の信頼を獲得。近年はSiCパワー半導体の研究開発にも注力しており、省エネ・高効率化が求められる車載機器や産業用電源市場において期待が高まっています。
25年8月には、独自のGaN技術を有する子会社「パウデック」の吸収合併を発表。窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス市場における競争力を高めていく方針とのこと。
ルネサスエレクトロニクス(6723)

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すでにご紹介済みですが、GaN(窒化ガリウム)パワー半導体の分野において注目されるのが「ルネサスエレクトロニクス」です。
25年7月には、米国のGaNリーディング企業「トランスフォーム」を買収して初となる「650V耐圧の窒化ガリウム(GaN)パワー半導体」の新製品を発表。今後、窒化ガリウム(GaN)をパワーディスクリート事業の中核に据えるとのこと。
ローム(6963)

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ロームはSiC(炭化ケイ素)パワー半導体の国産トップメーカーとして知られ、EVや再生可能エネルギーなどの成長分野で大きな存在感を放つ企業です。
とくに、次世代パワー半導体として注目されるSiC(炭化ケイ素)デバイスの開発・量産にいち早く取り組んでおり、車載向けでは日産やホンダなど国内大手との取引実績も豊富で、国内外のEVメーカーから高い信頼を獲得しています。
25年3月には、マツダとの共同で「GaNパワー半導体を用いた自動車部品の開発」を開始したと発表。2027年度の実用化を目指すとのことです。強みのSiC炭化ケイ素だけでなく、GaN(窒化ガリウム)分野でも研究開発を進めており、次世代パワー反動チアの二大軸で競争力を強化しています。
成長期待の中堅・新興株【4選】
オキサイド(6521)

出展:TradingView
オキサイドは、結晶成長技術に特化した素材メーカーで、パワー半導体の中でも特に注目される酸化物単結晶(例:β-Ga2O3やレーザー用結晶)の開発・製造を手がけています。
とくに酸化ガリウム(Ga2O3)系の次世代パワー半導体素材に強みを持ち、従来のSiCやGaNよりも高耐圧・高効率かつ低コスト化が可能な革新的素材として世界的にも注目されています。オキサイドはその製造装置から結晶の量産技術まで一貫して手掛けられる数少ない国内企業であり、将来的な需要の急増が予想される分野において高いポジションを確保しています。足元の業績は研究開発投資が先行していますが、中長期での成長期待が大きい中堅・新興株として投資家の注目が集まっています。
トレックス・セミコンダクター(6616)

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トレックス・セミコンダクターは、小型・高効率のアナログ電源ICに特化した半導体メーカーで、とくに電源制御技術に強みをもつ企業。
2016年に筆頭株主の半導体製造企業「フェニテックセミコンダクター」を子会社化。2023年以降、フェニテックが培ってきた製造技術を活かし、トレックスブランドで高耐圧SiC SBDを含むパワー半導体製品の開発が進展しています。また、25年4月には広島大学とフェニテックの合同チームにおいて、500℃という高温化でも動作するSiC(炭化ケイ素)集積回路(SiC-IC)の試作に成功したと発表。今後はSiC-ICの大規模化を進めるとともに、設計・製造の環境整備も加速させていくとのこと。
タムラ製作所(6768)

出展:TradingView
先のトピックでご紹介しましたが、Ga2O3(酸化ガリウム)パワー半導体の分野において注目されるのが「タムラ製作所」です。
- 情報通信機構と株式会社光波との共同研究により、酸化ガリウム(Ga2O3)MOSトランジスタの開発に世界で初めて成功。
- 酸化ガリウムの研究・開発に取り組む「ノベルクリスタルテクノロジー」の出資元かつ技術支援パートナー。
Ga2O3次世代パワー半導体の普及における材料・基板供給のキープレーヤーとなり得るポジションを築いていることから、成長期待株として注視しておきたい銘柄です。
イーディーピー(7794)

出展:TradingView
先のトピックでご紹介しましたが、人工ダイヤモンドを素材とする次世代パワー半導体の分野において、その成長性が期待されているのが「イーディーピー」です。
- 人工ダイヤモンドの原料となる「種結晶」の製造・販売を手掛ける国内唯一の企業。
- 半導体・エレクトロニクス分野で使用される素材、材料などの開発・製造も。
C(ダイヤモンド)パワー半導体の実用化はまだ先のことで、現在では研究・開発が進められている段階です。今後、開発・実証化の動きが加速するにつれてその存在感を増す注目株とみていいでしょう。
出遅れ期待株【4選】
倉元製作所(5216)

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倉元製作所は、ガラス基板加工と半導体製造装置部品の加工・販売を行う企業。近年では、液晶用ガラス基板加工を縮小させ、ロボット、太陽電池、半導体などの新規事業を育成中です。
24年4月には、中国の杭州MDKオプト・エレクトロニクスと次世代半導体パッケージ向けのTGV(ガラス貫通電極)・TCV(シリコン貫通電極)・SiC関連製品の製造委託契約を締結したと発表。液晶ガラスやガラス基板の成膜加工で培った技術を活用して、半導体製造に関わる石英の加工事業を開始させています。また、ペロブスカイト太陽電池の開発も。
テセック(6337)

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セテックは、半導体製造プロセスで必要とされるハンドラ(半導体選別装置)の国内上位メーカー。個別半導体用テスター(測定装置)の分野では世界トップクラスのシェアをもつ企業です。
近年、次世代パワー半導体向けの試験工程の需要増加を受けて、セテックのパワー半導体向けテスター製品の採用機会が広がる可能性が考えられます。装置系で先んじるディスコや東京精密に比べて知名度では劣りますが、ニッチ領域での確かな技術力から「出遅れ期待株」として注目される存在です。
タカトリ(6338)

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タカトリは、半導体製造装置や医療機器、産業用ロボット装置などを手がける装置メーカーで、とくに近年注目を集めているのがパワー半導体向けの「インゴットスライサー(切断装置)」の存在です。
インゴットスライサーは、SiCやGaNといった硬質で高性能な素材を薄く切断する工程に使われ、次世代パワー半導体の加工工程で不可欠な設備とされています。とくに、SiC材料をウェーハに切断する「多線式ワイヤーソー(MWS)」ではタカトリが世界シェア90%以上を握っています。
大手が供給する製造装置とは異なる、”スライス”という特殊工程に特化した強みから「出遅れ期待株」として注目できるでしょう。
新電元工業(6844)

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新電元工業は、整流器やパワーモジュール、電源機器などを手がける電力制御技術の老舗メーカーであり、パワー半導体分野では古参の実力企業です。
とくに、自動車・産業機器向けのパワーモジュールやSiCデバイスを活用した高効率電源制御に強みを持ち、近年ではEV(電気自動車)や再生可能エネルギー領域での需要拡大を追い風に業績回復の兆しを見せています。
また25年5月には、京セラが保有する「シリコンダイオード・パワー半導体事業」を買収すると発表。京セラが同年10月に新会社を設立して同事業を移管。この新会社を新電元工業が26年1月に25億円で買収する計画とのことです。
今回の買収によって、従来のIGBTやSiCモジュールに加えて、京セラから継承するシリコンダイオード製品群を取り込むことで製品ポートフォリオが広がり、製造拠点・技術・人材が追加されることで、生産力や開発力の底上げが期待されます。
まとめ
『2025年版・パワー半導体銘柄の本命・注目株』をテーマに、次世代を含むパワー半導体の特徴をはじめ、素材ごとの代表銘柄の紹介、本命株、出遅れ期待株などをご紹介してきました。いかがでしたか?
次世代パワー半導体の本格的な普及はこれから。今はまだ普及の入り口段階にあります。
研究・開発が進められている「Ga2O3(酸化ガリウム)」「C(ダイヤモンド)」といった、新素材を活用した次世代パワー半導体の普及へ向けた動きは、新たな成長産業として”次世代パワー半導体銘柄“に注目が向けられるはずです。
ご紹介した記事を参考に、高い成長性が期待されるパワー半導体銘柄の物色にぜひ役立ててください。
「最新のパワー半導体銘柄」について詳しく解説します。